#2 Please sit down.は、お母さんの言葉
英語なるものは何と面倒な物か……。
何の因果か勉強での英語しか知らないのに外国人バーに入ってしまった俺は思った。
今日も今日で、いきなり入ってきたネイティブにPlease sit down.っていったら、機嫌を損ねちまった。Please sit down.って、「お席にどうぞ」じゃないのかよ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
からんと、ドアベルが鳴る。
口開けの客が、ふたり入って来た。
あちゃぁ、しかも、ふたりともネイティブだよ。また、なんかやらかしそうだ、俺。しかも、また、ディドはいないし。
“Please sit down.”
愛想よく、カウンターの席を示しながら、俺はお客様を案内する。言葉は不得意でも、気持で勝負だ。
“?”
ネイティブが怪訝な顔をする。
“Please sit down.”
俺は聞こえなかったのかと思って繰り返した。
“Oh, you're like my mother.”
こんどは、こっちがきょとんとする番だ。なんで、おれが、お前らのお袋なんだよ。
Please sit down.は、お座りなさい。
ディド 「ああぁ、また、兵衛門、やっちまったね」
ほうほうの体で帰ってくる兵衛門。
兵衛門 「やっちまったってなにさ? お座り下さい。っていっただけじゃないか」
ディド 「ちがうね。兵衛門の言ったSit down, please.は、座りなさいって、かなり上から目線の言い方なんだよ。たとえば、お母さんが子供を叱るときに使いがちなね」
兵衛門 「え~。じゃあ、そういう時はどういうのさ?」
ディド 「お座り下さい=お席をどうぞ。ことで」
兵衛門 「Please have a seat.ね」
ディド 「そう、こちらにってことで、Please have a seat here.ってつけてもいいね」
兵衛門 “I’ve got it. Thank you.”
Dialogue written by Rich Eddington
Clerk: Hello. Welcome to St. Luke’s hospital.
Hyoemon: Thank you. I’m here to see Dr. Smith
Clerk: OK. What’s your name please?
Hyoemon: I’m Mr. Seino Hyoemon.(兵衛門の名字は清野だったのです)
Clerk: Please have a seat over there and I’ll tell him you’ve arrived.
Hyoemon: Thank you.
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